日本の古典『歎異抄(たんにしょう)』を、講演や展示で分かりやすく学べるイベント、「歎異抄大學」に、令和6年9月8日、参加してきました!
会場は、日本最大の施設「東京ビッグサイト」。観光スポットのお台場にも近く、モーターショーやコミックマーケットなどの大規模イベントが開かれるこの場所には、なんと、年間1400万人が訪れるといいます。
イベントは、ベイエリアに面する最新の南棟を貸し切りに。メインステージの講演のほか、4つのエリアが設けられ、多彩な切り口で『歎異抄』の魅力に触れることができました。
「『歎異抄』って、何?」「今まで聞いたこともないよ」という『歎異抄』初心者の私も楽しく学べた、イベントの注目ポイントを紹介します!
エリアA:国宝級の名文に触れる!
南棟の1階は、4つのエリアに分けられ、いろんな切り口から『歎異抄』を学べました。
エリアAは、『歎異抄』の概要を、パネル展示や朗読で学べます。
私のお気に入りは、「書道体験コーナー」。
『歎異抄』の言葉を、心を静め、したためる体験ができます。
まずは、富士書道会主宰で、臨泉会常任理事の吉村遊花先生が、参加者の前で実演。流れるような筆致で、「摂取不捨の利益」(1章)「無碍の一道」(7章)の書が完成していくさまに、目を奪われました。
その後、吉村先生をはじめ、スタッフが、懇切に手ほどき。
書道初心者の私も、半紙で何度か練習したあと、「願」の一文字を色紙にしたためました。記念に持ち帰り、部屋の目に付く場所に飾っています。
エリアB:親鸞聖人の言葉
『歎異抄』を生み出した、親鸞聖人について学ぶのがエリアB。
波瀾万丈の生涯を知ることで、『歎異抄』の言葉の重みが伝わってきます。
日本初のバス型移動映画館で、聖人90年の生涯を描いた名作アニメ映画を見たり、『歎異抄』関連書籍やDVDを購入したりできました。
『歎異抄』ゆかりの地をめぐりながら、教えを学べる講座なども楽しく、まるで、一緒に旅をしているような気持ちに。
「歎異抄大學」で関心を持ち、さらに深く学びたい、という人に、オススメのコーナーです。
エリアC:『歎異抄』の教え
エリアCでは講座が充実していて、『歎異抄』に出てくる仏教用語の一つ一つを、30分ほどで、多くの講師がリレー方式で解説してくれました。
中でも、哲学者のメッセージを切り口にした講座は、知的で、ユーモアたっぷり。20世紀最大の哲学者ハイデガーも、『歎異抄』を絶賛していたとは知りませんでした。
西洋哲学では知りえなかった「老・病・死を超えた幸せ」が『歎異抄』に書かれていると知り、一層、関心が高まりました。
エリアD:生きる指針
『歎異抄』に込められた生きるヒントを学べるエリアDでは、人気哲学エンターテイメントの映像作品、「ケモノガタリ」のキャラクターが迎え入れてくれ、記念写真を一緒にパチリ!
「人と動物の違いとは?」「金メダルを獲れたら幸せ?」などのテーマで、仏教の視点から学びます。
テーブルごとに分かれ、互いに意見を交わし、今まで考えたことのない切り口で「人生の問い」を考える、充実した時間を過ごせました。
4000人が一堂に!ベストセラー『歎異抄ってなんだろう』著者の講演
何といっても壮観だったのは、メインステージの講演です。
『歎異抄』って、名前くらいは聞いたことがあるけれど、正直、「そんなに多くの人が関心あるのかな……?」と、疑問だったんです。
ところが、12万部を超えるベストセラー『歎異抄ってなんだろう』の著者・高森光晴先生による講演会では、南棟4階のホールが満員に!
ホールの面積は10,000m2といいますから、野球のグラウンドと、ほぼ同じぐらいの広さです。
その空間に、約4000人が一堂に会し、人でびっしり!
老若男女の幅広い年代層が集まり、『歎異抄』の懐の深さに驚きました。
しかも、それだけ多くの人が集まっているのに、講演が始まると、みんな、シーンと静かなんです。
「『歎異抄』に、実は、生きる道が説かれているなんて、今まで知らなかった」と感動の連続で、思わず、講演に引きつけられました。
私の周りも、うなずきながら、真剣に講演を聞いている姿が印象的でした。
あの厳粛な空気は、ぜひあなたにも、一度、体感していただきたいです。
まとめ
熱気あふれる会場の様子を紹介しましたが、いかがでしたか?
私も、『歎異抄』に込められた、時代を超えたメッセージを、もっと学びたい、という気持ちになりました。
次回は、令和7年6月22日!「東京ビッグサイト」で再び開催予定とのことですので、皆さんもぜひ、参加してみてはどうでしょうか。