歎異抄大學in インテックス大阪
イベントリポート

令和4年11月20日(日)、大阪湾に近い日本最大級の国際展示場、「インテックス大阪」にて「歎異抄に大いに学ぼう」のキャッチコピーで、歎異抄大學を開催しました。

大阪湾に臨み、府の庁舎や商業施設と、小・中学校もある住宅街が一体となった未来都市に、インテックス大阪はあります。4年前には20カ国・地域首脳会合(G20)も行われた国際会場の1号館、2号館を使用し、開催されました。

広い会場には古典『歎異抄』を紹介する11のミニ講座や多様なコーナーが設置され、午前10時の開始から熱気があふれました。

目次

多彩な講座が好評

午前中と午後の講演後には、様々な展示・体験コーナーで、多くの方に『歎異抄』の内容に触れていただきました。特に講座スペースAとBでは、1コマ20分や35分の、多彩な講師のレクチャーが好評でした。

講座スペースAについて一部紹介

講座Aでは、大阪在住のプレゼンター2人が、「大阪と歎異抄」というテーマで語りました。プレゼンターは「大阪と浄土真宗との深い関わりを知っていただきたかった」と、自らプレゼン講師に名乗り出ました。

500年前の蓮如上人の時代、今の大阪城の位置に築かれた石山本願寺の想像図などを見せながら、「大阪の名付け親! “蓮如上人”ってどんな人?」「大阪に寺と人が集まった、きっかけの“ご遺言”」というタイトルの講座で、とても面白いと好評でした。

講座スペースBについて一部紹介

愛知県の精神科医の講師が、「大切な人の心を知るための大原則〜歎異抄の人間観から」と題し、講座スペースBで話しました。

仏教では、誰もがその人の心の生み出した、別々の世界に住んでいると説かれます。精神医学でも同様に考えられ、相手のことを分かっている前提で言いすぎるからトラブルが起きる、と説明されました。「誰に対しても、知っているつもりで何でも頭ごなしに言ってはいけませんね」と医師は語ります。

他にも「源氏物語と歎異抄」「助け合い社会と歎異抄の魅力」などが語られ、講座スペースBも盛況でした。

チューリップ企画によるイベント

「歎異抄ゆかりの旧跡」の映像をめぐるミニシアター上映や、仏教教材の無料体験などを開催し、多くの人が訪れていました。

バス型移動映画館

バス型移動映画館では、映画『歎異抄をひらく』『なぜ生きる』の一部分を上映。全10回の席が早々に予約で埋まる盛況ぶりでした。

書道で楽しむ『歎異抄』

全国から寄せられた『歎異抄』の言葉の書が飾られました。

また書写体験では、書道の「師範」であるスタッフが、参加者一人一人を回って手ほどきをしていました。

『歎異抄』後序の言葉についての講演

午後から高森光晴先生の『歎異抄』後序のお言葉の解説で、会場は大きな拍手に包まれました。

『歎異抄』後序の「煩悩具足の凡夫・火宅無常の世界は、万のこと皆もってそらごと・たわごと・真実あることなきに、ただ念仏のみぞまことにておわします」のお言葉を、身近な例もふんだんに講演されました。

講演会場には、前方に巨大なLED大画面が3機設置され、『歎異抄』や『教行信証』などの仏語が鮮明に映し出されて、どの座席でもよく見えると好評でした。また、16台のスピーカーが配置され、音声が隅々まで届けられました。

全国でのオンライン配信も

またご講演の様子はインターネットで配信され、インテックス大阪へ来場できなかった方も全国で同時に聞かれました。

500年の時を超えて、大阪に歎異抄の街が

大阪といえば、蓮如上人が開かれた町として知られています。

蓮如上人は、室町時代に活躍された親鸞聖人の子孫で、「浄土真宗中興の祖」「ご再興の上人」とたたえられるほど有名な方です。

当時、大阪は、「虎や狼がすむ」とまでいわれていた未開発の地でしたが、ここを蓮如上人は、要害の地、交通・交易の要衝として見いだされました。そして建立なされた石山本願寺を中心に、大阪は、海外とも交流するような一大仏法都市へと変貌したのです。

石山本願寺は、蓮如上人83歳の御時、完成されたもので、現在の大阪城の位置にあり、「摂州第一の名城」とたたえられました。その大阪に、500年の時を経て、突如、歎異抄の街が出現したようなにぎわいでした。

次回は日本最大級のイベント会場・東京ビッグサイトで開催予定です。

来場者にもっと喜んでいただけるようなイベントを企画してまいります。

目次